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NERI project. チームメンバーにインタビュー!!  

 人形遣い・首謀者・長井望美編   人形遣い・北井あけみ編   歌い手・横手ありさ編 

 


 

    NERI project.を企画することになった経緯を教えてください。

    ー2017年に道化師のサクノキさんとCor Glass Fools! というユニットを組み、

     道化師×人形遣いの舞台を作りました。他ジャンルの芸人さんとガツっと

     組んで創作をやらせてもらって、「あぁ、わたしはもっと専門分野・人形劇を

     しっかりやらないとあかんな。」と思いました。

     次は人形同士の掛け合いがある作品を作りたい、と。

     北井あけみさんはgenre:Grayの先輩(人形遣いの黒谷都師匠のところの姉弟子)。

     2016年に「モノ語り◇水仙月の四日」で共演の機会をいただき、彼女と人形同士

     の場面もあったですが、当時わたしは本当に何もできなかったので、

     宿題が終わらない下級生居残り稽古に主役をはる上級生に付き合ってもらって

     いる‥ような状態でしたいつかちゃんとした相手役でリベンジしたかった。

     自主企画で人形が複数でるものをやりたい、となったとき、「一緒にやって

     ほしいのはあけみさんしかいない!」と打診しました。

     横手ありささんとは、2015年に共通の知人のライブに共演。以降、何度かありさ

     さんのチームのライブで、彼女の歌にねむり鳥の人形で参加させてもらって

     います。昨年、稽古のため彼女の月や海の歌を繰り返し聴いていたら、

     麦わら帽子をかぶった少女が海辺を歩いている風景が見えて来ました。

     それが『海辺のちさ』のオリジナルイメージになりました。

 



     「海辺のちさ」の作品のアイディアはどこから?

     ー発想の原点となったのは現代美術家イケムラレイコさんの「うみのこ」という

      詩集です。たしか、2011年に原美術館のミュージアムショップで発見。
      人体に海水成分が含まれているように、私の身体のなかにもこの詩集と共通

      する成分が含まれているなぁ、という不思議な親和性と衝撃を感じました。

      いつか創作の題材として取り組んでみたかった。

      「あけみさん、ありささんと3人でやるならこれだな!」と思ったのですが、
      それぞれとの最初の打ち合わせでこの
詩集を読んでもらったところ、2人とも

      同じような感覚があったようで。

      「これは、いけるかも!」と思いました。

      

     (*この詩集は今回の創作の着想の種、起爆剤となりましたが、「海辺のちさ」は

      NERIproject.の音楽人形劇として、独自の物語を展開しています。)  
 



     タイトルの由来は?


     ー「ちさ」 というのは、「ちいさなこ」の愛称です。誰しもがかつては

      「ちいさなこ」で、大きくなったら今度は世界をつくる構成員の一員として、

      次なる「ちいさなこ」に出逢います。

      …ここまでは割と早く決まっていたのですが、そのあとが難航。
      「ちさの海」「リトル・マリン(海に属する、ちいさいもの、の意味)」など

      と色々考えたのですが、(相撲取りの名前みたい、とか、某大国アニメのパチ

      モンみたいじゃないか、とかで没。)海は海でも、少女が歩いているのは

      「海辺」だ、と気がついて、「海辺のちさ」に落ち着きました。
 

     「海辺のちさ」の作品のテーマとして「少女」と「海」があります。

     小さい頃はどんな少女でしたか?

     ーほんとうに小さい頃は、目が合うとニッコリ笑う可愛らしいこどもだった

      …時代もあったようです。木登りやアスレチックをしたり、案外アクティブに

      遊ぶのも好きだったらしい。思春期に入り、頭デッカチの意地っ張りな文化系

      ヤッカイ少女になってゆきました。

     今と変わったなぁ、と思うところは?

     ー10代以降は、自我をかかえて世界の中で生きてゆくことに悶々としましたが、

      30代になってすこしずつ思春期以前のすんなりしたところに帰って行っている

      …のかなぁ。

 

     では、変わらないところは?

     ー感性と理屈の同居。ヌイグルミが好き。時折無謀になる。けっこう心配症。

     あなたにとって「少女」とは?

     ー小さくて勇敢な、歩く感性。

     「海」にまつわる思い出はありますか?

     ー祖父母の住まいで、いまは両親が住んでいる須磨の、瀬戸内の穏やかな海。

      数多引越しの人生ですが、実は海の近くに定住したことはありません。

      けれど、帰省したら必ず海を訪ねます。海辺を歩くと誰もが孤独で、

      しかし世界に繋がっているのだと気づかされます。私にとっては、祖先の

      住まう場所、自己と向き合う場所、世界の涯、ときどき帰らなければならない

      場所。


 

     「海辺のちさ」という作品の魅力を簡単に言うと?

     ー海にいろんなものが含まれているように、いろんなものを孕んだ作品に

      なってきていると思います。いろんな世代の方に一緒に楽しんでいただける

      人形劇を創りたい、といつも思っていますが、チームメンバーそれぞれの

      持ち味が発揮され、良いラインまで来ているのではないかしら?!と思って

      います。

      ありささんの風景を孕んだ歌声と音楽、あけみさんの人形・モノを遣う

      透明な取り組み、寛容でやんちゃな布の人形たち!!わたしは…、ひたすら

      歩いております!

      美しい音楽に、遊び心も満載!!

      今回はパペットアニメーションのようなイメージの場面もあるのですが、

      ライブパフォーマンスではカメラの切り替えはできませんので、

      遣い手・音楽家・人形やものが変容するしかありません。ものの工夫をしたり、

      演者のあり方を話し合ったり。難しいことですが、創作の楽しみでもありました。

      ぜひ、会場で直に体験してください!

      

      みなさんにひとこと!!

     ーあともう一息!!で初日を迎えます。独創的でワクワクする、懐しく新しい

      時間が立ち上がるように、チームみんなで一生懸命支度してお待ちしており

      ます。ぜひぜひ、ムリウイ屋上劇場にお越しください!

 

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